当たり前の人生を100万円のストーリーに変えるスピーチライターの木村です。
スピーチというと日本では演説などをイメージする方が多いと思います。しかし、欧米では単に「自分の気持ちを伝える」という文脈で使われることもあります。そのため、私も演説や講演だけでなく、商談、セールス、プレゼン、またライティングなど、日常のあらゆる場面に潜むスピーチの作り方を提案しています。
私がなぜこのような仕事を始めたかというと、それは2011年3月11日の出来事がきっかけです。
私はコールセンター業界に15年いたのですが、東日本大震災発災当時は東京電力のカスタマーセンターで働いていました。
そこで私は、初めて解決できないクレームを耳にしました。例えば、商品が届かない壊れているというクレームなら、代わりを送れば済みます。しかしあの時のクレームは「家に帰してくれ」「家族に会わせてくれ」と解決できないクレームばかりでした。
なすすべを失った私はお客様の話をひたすら聞くだけ。「もうあんたに言っても仕方ないわ」と電話を切られるのをただ待つだけでした。
そこで私は、お客様の話を聞くだけでなく、お客様の気持ちを言葉にしてみました。
「突然、理不尽に未来を奪われる。お客様は私には想像できない怒りや悲しみを抱えられているんですね」
するとお客様が「そうなんだよ!よく気持ちわかってくれたね。話して良かった。ありがとう」と言ってくれるようになったんです。
ただ話すだけでも、ただ聞くだけでもだめ。相手の気持ちに寄り添って話さなければならない。
それに気づいた私は、「人の気持ちに寄り添って話す」を体系化し、話し方教室事業を開始しました。