どうも、教え方と伝え方のスーパーバイザー、きむにぃ(@kimuniunchi)です!
コールセンターに勤めていて「なんで同じことを言わなきゃならないの?」と苦情を言われた経験はありませんか?
コールセンター側としては「必要だから聞いている!」と言いたくなりますが、お客さまからすれば何度も名前や電話番号、用件を伝えるのは面倒ですよね。
そこで、この記事では、お客さまに不快な思いをさせずに必要な情報を伺う方法を紹介したいと思います。
絶対にやってはいけないこと
世の中には同じ説明を繰り返すことが時間のムダと思い「なんで同じこと言わなきゃなんないのよ?!」「あんたたちで調べなさいよ!」というお客さまが数多くいます。
こういったお客さまは、大体がクレームを抱えており、下手な言い方をすると火に油を注ぐことになり厄介です。
初動対応が大事なクレーム対応で、新たな火種を生むのはもったいないですよね。
以下に悪い事例を書いてみたので、一度読んでみてください。
「わたくし、先ほどの者ではありませんので……」
わかります。これを言いたい気持ち、すごくわかります。痛いほどわかるのですが、言った瞬間に大炎上です。
お客さまからすれば、コールセンターにいる人たちは、皆その会社の一員として見ており、さっきの担当か今の担当かなんて関係ありません。
自分の情報は共有されてしかるべきと考えてるので「先ほどの者じゃないじゃないから改めて教えろ」というのは、論外、ダメ絶対! 禁句です。
こちらから情報を教えちゃう
では、あらかじめお客さまの情報がわかっていたら「あー、〇〇さま、△△の件でございますよね~」と、こちらから言ってしまっていいのでしょうか。
最近のコールセンターでは電話をかけたときにお客様番号や、暗証番号を入力させて本人確認をとっているところもあるので、そういう会社はいいかもしれません。
しかし、そうでないところはアウトです。
本人確認をする前にこちらからお客さまの情報をお伝えするという行為は大変危険で、「本人確認もしないで個人情報を言うなんて!」と逆ギレされることもあります。
ルールとして口頭での本人確認を必要としているのであれば、いくら「なんで同じこと聞くの!?」と言われても省略しないようにしましょう。
伝え方を変えてみる
では、個人情報を守りつつ、必要な情報を聞き出すためには、どうすればいいのでしょうか。
実は、聞き方を変えるだけで、印象が変わり、すんなり教えてくれます。
以下にそのポイントをまとめてみました。
2. 時間は取らせないことを伝える
3. 責任をもって対応することを伝える
全部説明してもらうわけではないことを伝える
お客さまは先ほどと同じことをまた1から説明しなくてはいけないことを嫌がって「なんでもう一度?!」と言ってきます。
そのため、「1から全部説明してくれと言ってるわけじゃないですよー。」ということを伝えてあげましょう。
このように言われれば、「全部言う必要はないのだな。」ということがわかります。
時間は取らせないことを伝える
お客さまは非効率と思われる繰り返しの質問、説明が許せず「何で同じことを?!」と言っているので、「お時間は取らせませんよ!」という姿勢をみせます。
情報の聴取はあくまでも「迅速に調べるため」という理由の上に成り立つようにすれば、「なんで!?」と言われることは少なくなります。
責任をもって対応することを伝える
お客さまからすれば、さっきまで話していた担当者に比べ、後から出た担当者とはまだ信頼関係が築けていない状態です。
「さっきの人と話せればムダなこと言わなくて済むのに!」という気持ちがあるため、後から出た担当者であっても対応が可能であることを説明します。
この時、しっかりと責任をもって対応させてもらうことも伝えます。
「だったら、さっきの人に代わって」と言われたら?
コールセンター側からすれば、これこそ”時間のムダ”と思うのですが、それでも「さっきの担当者と話した方が早い。」と考えるお客さまは多いです。
電話転送などができるところならいいですが、そうだとしても、さっきの担当者が席を外していたり、通話中だったりした場合は代わってもらうことができません。
そこで、ここでの切り替えし方のポイントは
・なぜ代われないか明確な理由をお伝えする
この2点が重要になってきます。
「かしこまりました。〇〇でございますね。すぐに確認いたします。……大変申し訳ございませんが〇〇はただいま別の電話に出ております(席を外しております)。これ以上お待たせすることのないよう、よろしければ私がお伺いいたしますが、いかがでしょうか」
はじめから代わることができない、とわかっていても「代われません。」とすぐに断るのはNGです。
まずは「代わってほしい」というお客さまの気持ちをしっかりと受け止めてあげましょう。
また、受け止めた後は、代われない理由を丁寧に説明し、自分が改めて聞くことで時間をとらせない、という姿勢をみせるようにします。
こうすることにより、大抵のお客さまは「代わってもらうよりスムーズに対応してもらえそう。」と思ってくれます。
ただし、気をつけなくてはいけないことがひとつだけあるので、加えて説明しておきましょう。
欲張ってはいけない
お客さまに承諾をいただくと、ここぞとばかりに色々と聴取をしたくなってしまうものです。
しかし、あまり聞きすぎると「やっぱりさっきの人に代わって。」となり、せっかくの努力が水の泡になります。
お客さまが承諾してくださったのは、あくまでも「代わってもらうよりスムーズに対応してもらえそう。」と思ったからであって、1から説明をすることを承諾したわけではありません。
欲張って、すべての情報を得ようとせず、まずは必要最低限の情報だけ聞き、保留にして履歴などを調べるようにしましょう。
本人確認がどうしても必要なら保留を解除してからでも遅くはありません。
このように名前と電話番号だけ聞いておけば、万が一電話が切れてしまったときにも折り返し連絡をすることができます。
本人確認が必要なら保留明けに
とやれば、保留というワンクッションを挟んでいるので、この状況で「やっぱりさっきの人に代わって。」とはなりません。
まとめ
コールセンター側としては当たり前の仕事を当たり前にやっているだけなので「名前くらい言ってくれてもいいじゃん!」と思う気持ちはよくわかります。
しかし、何度も電話をしてきて、何度も同じことを言うこと(とくにクレームだと)がどれほどわずらわしいことか、そういうお客さまの気持ちに寄り添うことが、その後の対応を大きく変えることになります。
どの仕事でもそうですが、人間はその仕事に慣れてくると、その仕事の目線でしか物事を見られなくなってしまいます。相手の立場、相手の気持ちを考えずに行動しがちです。
そうならないためにも、お客さまがなぜ、そう言っているのか、なぜ怒っているのか、根本的な不満の原因を考え、汲み取ってあげることで、今回のようなトラブルは防ぐことができるはずです。