どうも、きむにぃ(@kimuniunchi)です!
みなさん、病んでますか!?
この記事を訪れたということは、現世にほとほと疲れちゃって神さまにでもすがりたいということでしょうか。でしたらこの100万円する壺をですね……(略)
この記事を訪れたということは、きっと宗教勧誘の手口に興味があるのではないでしょうか。
だってすごいですよね。全然宗教に入りそうにない人がいきなり入信しちゃうなんてこともありますから。どうやって勧誘してんだー? って気になると思います。
最初に断っておきますが、ボクは特定の宗教を信仰しているわけではないし、あなたのことをどこかに勧誘したいわけでもありません!
じゃあなんでこんな記事を書いたかというと、実は昔、とあるカルト宗教に勧誘されてしまったことがあるからです。
で、勧誘された結果入信しましたwww
もちろん、今は脱会していますが、あとで振り返ってみると宗教の勧誘ってやっぱスゲーって思うことがたくさんあるわけです。
さらにビジネス、とくに営業に応用できるテクニック(手口)が盛りだくさん。ですから、あくまでもビジネスで良き成果を上げるためにこの記事を書いています。だから悪用厳禁ね!
というわけで、前半はボクが宗教に勧誘された経緯を述べて、後半でそれらの手口を解説していきたいと思います!
ボクが宗教に勧誘されたワケ
高卒で就職した会社で、ボクは職場の人たちと馴染めずにいました。
若かったということもあり尖っていたし、当時はバンドで飯を食うことを夢にしてましたから、正社員に価値があるなんて思っていませんでした。あ、この話はこちらの記事で詳しく書いてます!
https://atama.co.jp/entry/joushi-ng/
だから仕事もアルバイト感覚。上司を持ち上げることもしない。すぐに不平不満をもらす。今にして思えば人に嫌われる要素が全て詰まった若者でした(笑)。
ボクはそれだけ勝手なことをしながらも、自覚がなかったので、なぜ嫌われるのだろう、と悩んでいました。
先輩の誘い
ある日のこと、職場の先輩から「今日飲みにいこうよ」と誘われました。嫌われていると思っていたから素直に嬉しかったし、前からその先輩の話には興味があったので快諾しました。
飲んでいると先輩はこう切り出してきます。
先輩はボクの悩みを知っていました。いや、当時近くにいた人なら皆わかっていたことでしょう。それほどボクは嫌われる行動をとっていたんですよねー。
先輩もそういうことがあったんですか、などと聞いていると
「はいはい、ここからお決まりの『そのきっかけというのがね、〇〇教に入信したからなんだ』って言うんでしょ?」と思ったあなた! 違います。彼はそのきっかけについては一切触れず「あ、話変わるんだけどさ」とこんな話を始めました。
彼はその事務所で「東京湾の海は冷たい」だの「親戚全員が不幸になる」など脅されまくったそうです。しかし彼は動じません。ついには痺れを切らした相手の親分が現れました。
それまでヤミ金の事務所に連れていかれた話にひきこまれていたボクは、突然話が変わり困惑しました。
はやく続きを聞かせてほしいのに彼は輪廻転生について熱く語るばかりです。ただ、輪廻転生の話はそれはそれで面白い話でした(当時はそう感じました)。
突然話が戻ります。
「待ってました!」と声を出して身を乗り出すボク。彼は続きを話し始めます。
「ドスの効いた声で脅す親分に、俺はある話をしたんだ。最初はみんな目を丸くしてたけどね。でも次第に俺の話に吸い込まれてくように聞いて、最後に親分はこう言ったんだ。
『あなたのように素晴らしいお方に会ったのは初めてです。大変なご無礼をお許しください』ってね」
そんなことが本当にあるのだろうか。しかし、そんな話があるなら聞いてみたい。その方法を知りたいと素直に思いました。
ボクは急に職場の人間関係を思い出し、暗い顔で下を向きました。
なにも反応できないでいると、どこからともなく「失礼します」と見知らぬおじさんが席に座ってきました。聞くと彼も先輩と同じ教えを受けている人物だというのです。丁寧に名刺までいただきました。
こんな肩書きのある人が教えてもらうくらいだから、その教えは本当に素晴らしいものなのかもしれない。
そしてボクは二人について行き、あれよあれよという間に入会手続きをしてしまいました。
宗教勧誘の手口
その後、毎朝決まった時間にお経を唱えたり、それをみた母親に泣かれたり、いろいろありましたが、なんとか脱会しました。
その話はまた別の記事に譲るとして、ここからはこの宗教勧誘の話にどういう手口が含まれていたのか、ということを解説したいと思います!
弱っている部分を見抜く
まずボクは職場の人間関係で悩んでいました。当時のことを考えればワラにでもすがりたい思いだったのでしょう。先輩はそれをしっかり見抜いていました。
人は事実を言い当てられると「え?なんで知ってるの?」、「私のことよくわかってる!」と、その人に興味を抱いたり、心を許しやすくなります。
この相手の心、気持ちを見抜いたように言い当てることをコールドリーディングといいます。しかし、これは本当に相手の心や気持ちを見抜いているわけではありません。
種明かしをすると、ほとんどの人に共通するようなことを言って心を言い当てたようにみせる手口です。「最近良くないことあったでしょ」、「悩んでるの知ってるよ」とか誰にでも共通することを言うのです。これは占いでよく使われる手口ですね。
当時のボクは病んでましたから、みんなが知っている自分の情報であっても「この人わかってくれてる!」と心を許してしまったわけですね。
共感、同調する
職場の人間関係がうまくいっていないことを言い当てると先輩は「自分もそうだった」、「辛さがよくわかる」と共感してくれました。
人間は自分と考え方が似ている人や、気持ちをわかってくれる人を好きになる傾向があります。
思い出してください。いま、仲の良い人となぜ仲良しなのか。大抵は「気が合うから」、「一緒にいて楽だから」、「気を遣わないから」、「話を聞いてくれるから」という答えになると思います。
人は他人に対して自分の姿をみつけだそうとします。そして他人の中にいる自分と自分自身を重ね合わせ、心を開いていくのです。
クレーム応対の基本では、まずはお客さまの話を聞くというところから始まります。聞いて聞いて、何が不満なのかを探り「わたくしもそのように思います」、「お怒りのお気持ち、お察しいたします」と共感、同調することで、不満の気持ちを和らげます。
ところで、好意をもった相手の動作、しぐさを自然と真似してしまっていることってありますよね。これをミラーリング効果というのですが、意図的にミラーリング(相手の真似)をすることで、相手から行為を抱いてもらうことができます。
実は先輩が使っていたのは、このミラーリングの手口だったのです。共感、同調の言葉でボクの気持ちに寄り添い、また会話のテンポをあわせるなどしてボクの心を開いていきました。
大事なカードはとっておく
ヤミ金の親分と会った話ですが、オチにむけてとにかく話を引っ張ります。
そして輪廻転生という伏線がオチだったことにより、驚きと感動を与えています。おもしろい話ができる人、話の組み立て方が上手な人を好むのはボクだけではないですよね。
たとえば会社でどうしても通したい提案をプレゼンするとします。その際、いきなり「これが必要です!」、「これがオススメです!」と紹介されてもその提案が通るとは思えません。
何が課題でそれを克服するためにどうすれば良いのか。笑いを交えたり、例え話をしたり、しっかりと興味という下地を作った状態で提案へと導きます。
スティーブ・ジョブズが初めてiPhoneを世に出した時のプレゼンを見たことがあるでしょうか。
ジョブズは「本日、アップルが電話を再発明します。これです」と言ってみせたのは、iPodにダイアルがついた美しさとはかけ離れたヘンテコなモノ。でも、この掴みがあったからこそ、iPhoneのすばらしさ、カッコよさが際立ったのです。
先輩の話術も、きちんと伏線を回収してオチをつけるという部分があったからこそ、引き込まれてしまったわけですね。
不安を煽ってから救う手口
何もない状態で不安を煽られれば、普通はその人のことを嫌いになりますが、ある程度の信頼を抱かせた状態での煽りは効果抜群です。
ボクはすでに先輩の話に取り込まれているわけですから、そんな状態で「前世がいけなかった」、「このままでは変わらない」と言われれば気持ちはドン底です。もちろんそのままではいけません。すぐさま救いの手を差し伸べます。
それが先輩の言う「徳を積むこと」です。
自分の人生が変わるらしい。親切にも教えてくれる人までいるらしい。やった! 助かった! ありがたい! そのように思ってしまいます。
そして救いの手を差し伸べた先輩をもっと信じます。信じなければ救われないのですから。
セールストークでもこの手口がよく使われます。
「さきほど完売してしまった」、「限定品なので次の入荷が未定」などと言われると、その商品がとても価値のあるものように思えてどうしても欲しくなります。そこですかさず「実は1つだけ未開封のサンプル品をもっていて」と言うのです。
曖昧な話し方をしない
先輩は全てを断定的に話します。決して曖昧なことは言いいません。
- もしかしたら
- 多分
- 一応
- だと思う
これらの言葉が一つでも入っていたのなら、きっとボクは先輩を信用しなかったかもしれません。
断言されることで信用味が増し、不安な気持ちは一掃されます。たとえば洋服を買いにいったとき「多分こちらがお客さまのサイズです」と言われたらどんな気分になりますか? 本当にそのサイズで大丈夫? って思いますよね。
地位、肩書きをみせる
日本人は肩書きやブランドに弱いです。とくに弱い立場におかれている人ほどそうです。
地位の高い人から言われると「これだけの人が言うのだから間違いない」と勝手な先入観で信用しようとします。
クレームをおっしゃるお客さまはよく「責任者をだせ!」、「上に代われ!」なんていいますよね。
もちろん肩書きに左右されない人もいますが、アルバイトが「私がなんとかします」と言うより、ある程度役職のある人が言った方が「なんとかしてくれそう」と思われます。
タイミングよく現れた見知らぬおじさんは郵便局の局長という肩書をもっていました。「局長」ってその郵便局のトップですよね。
そういう人が勧めるんだから大丈夫だ! って思ってしまうのはきっとボクだけじゃないハズ……。
まとめ
いかがでしょうか。今回、宗教勧誘の手口として紹介しましたが、良く使おうと思えばビジネスの成功につながるテクニックだと思います。
実際、ボクはこのあとコールセンター業界に入り営業の発信業務を経験するのですが、まさにこの経験が役立ちました。某インターネット会社の契約をセールスする仕事でしたが、入社して2カ月目で月間トップの契約数を誇りました。
ただし、この愚痴は悪用することもできます。世の中にある詐欺もこれらの手口を応用したものがほとんどです。
オレオレ詐欺なんかは不安を煽った上で救う、肩書(警察官、銀行員など)をみせる、という典型ですよね。
この記事をみてくれた人にはぜひ、良い使い方をしてもらえればと思います。ほんと、悪用しちゃダメだからね!!