営業トークで次のような悩みを抱えていないですか?
- 自社商材の良さをうまく伝えられず「必要ない」と言われる
- 「検討しておきます」と言われて成約に繋がらない
- クロージングが苦手で、つい値引きをしてしまう
「どれだけ頑張っても成約につながらない」「上司に数字を求められてストレスが溜まる」など、しんどい日々を過ごしていないでしょうか?
そこでこの記事では、成約率7割超の筆者が実践している営業トークのコツを5つ紹介します。このコツを活用することで、顧客が自然に興味を持ち、「買いたい!」と言ってくれるようになります。
ぜひ、記事の内容を読んで実践してみてくださいね。
営業トークの誤解
営業トークのノウハウを学ぶ前に、まず多くの営業パーソンが陥りがちな「営業トークの誤解」について考えてみましょう。多くの人は「営業トーク」と聞くと、相手を説得するための技術や心理テクニックを思い浮かべるかもしれません。しかし、営業トークのコツとは、ただ相手を説得する技術ではありません。
世の中には、「人の心を動かす話し方」や「効果的な伝え方」といった心理テクニックを応用した営業トーク術が数多く存在します。たとえば、電話営業などで使われるスクリプトに基づいたトークや、クロージングの際の巧妙な質問の仕方などが挙げられます。
「両面提示の法則」というテクニックでは、商品のメリットだけでなくデメリットも同時に提示することで、見込み顧客の信頼を得やすくなると言われています。「このエアコンは一瞬で部屋全体を涼しくできますが、電気代が少し高くなります」と伝えることで、商談の際に信頼が生まれやすい、というわけです。
しかし、こうした営業トークのテクニックが有効なのは、すでに見込み顧客があなたに対して信頼を抱き、商品にある程度の興味を持っている状態の時だけです。たとえば、家電量販店での商談時に、テレビを購入する目的で来店しているお客様に突然エアコンの魅力を語りだしても、関心を引くどころか逆に不信感を抱かれてしまうでしょう。この例からもわかるように、営業トークは単なる心理テクニックを用いた説得術ではなく、相手に寄り添いニーズを理解することが大切です。
本当に効果的な「営業トークのコツ」とは、見込み顧客が自然にあなたを信頼し、商品に興味を持ち、「これが欲しい!」と思うようにトークを構築することです。営業トークの本質は、顧客の抱える課題に寄り添い、真のニーズを理解し、それに応じた最適な提案を行うことにあります。この信頼をベースにしたトークが、営業成績を上げる最大のコツとなるのです。
例えば、電話営業においても、ただスクリプトに沿ったトークをするだけでは不十分です。電話であっても、相手の反応を丁寧にヒアリングし、適切な質問を重ねながらニーズを引き出すことが重要です。しっかりと相手の声に耳を傾け、具体的な課題を把握してから、最適な解決策として商品を説明することが成功の鍵です。
つまり、営業トークを効果的にするためには、相手との会話を通じて信頼関係を築き、その上で商品の価値を伝えることが最も重要です。どんなに巧妙なスクリプトがあっても、相手との関係が築けていなければ成約には結びつかないでしょう。
営業トークのコツ5選
ではここから、成約率7割超を達成するために欠かせない「営業トークのコツ」を具体的に紹介します。この5つのコツを実践することで、お客様から「買いたい!」という声を引き出し、あなたの営業成績が確実に向上するはずです。
1.信頼関係を構築する
どんな営業トークも初対面から始まりますが、最初にすべきことは商品説明ではありません。営業トークのコツとして、まず重要なのは、見込み客との信頼関係を築くことです。
さきほどのエアコンの例のように、いきなり商品説明をするのは逆効果。信頼関係が成り立っていない状態では、どんな優れた商品でも魅力は伝わりません。
そもそも人は、初対面の相手に対し「敵か味方か」を無意識に判断しています。そのため、まずは自分が「敵ではない」ということを相手に理解してもらいましょう。そのための有効な営業トークのコツが「自己開示」です。
自己開示とは、自分のプライベートなことを含めて、「あなたになら何でも話せますよ」という態度を示すこと。自分のことを包み隠さず話すことで「この人は敵ではない」と理解してもらえます。
例えば、「はじめまして。今日はよろしくお願いします。それにしても、この街はコンビニが多いですね。私の地元は〇〇町という田舎で、全然コンビニがなくてびっくりしました!」といった自己開示をすることで、相手に親しみやすさを伝えることができます。
さらに、こうした自己開示により「どこにお住まいなんですか?」「わかります。うちも実家が田舎でコンビニが近所になくて」というように相手が会話を切り出すキッカケを与えることもできます。
営業トークのコツは、自分が先に心を開くことで、相手も安心して話しやすくなる環境を作ることです。ぜひ、積極的に自己開示を活用して、信頼関係を築くようにしてみてください。
2.理想と現状をヒアリングする
効果的な営業トークのコツの一つは、見込み客の「理想」と「現状」をしっかりと聞き出すことです。営業トークにおいては、この2つの間にあるギャップを浮き彫りにし、理想と現状のギャップを埋める手段として自社商品を提案することで、成約率が向上します。
しかし、「理想は何ですか?」とストレートに質問しても、ほとんどの見込み客はすぐに明確な答えを返してくれません。なぜなら、多くの人は自分の理想を言葉で表現することができないからです。
そのため、営業トークのコツとして「現在→過去→未来」の順でヒアリングを進めてみてください。
最初に「現在」について質問します。現在の仕事の状況や課題、役割については話しやすいため、相手も自然に答えてくれます。「今どんな仕事をしているのですか?」「今の仕事でどんな役割を担っていますか?」といった質問を通じて、相手が抱える課題や現状を把握します。
次に、「過去」について質問します。たとえば、「この仕事を始めたきっかけは何ですか?」や「前職ではどのようなことをされていましたか?」といったように、現在に繋がる過去の話を聞くことで、会話がスムーズに進みます。これにより、見込み客は話しやすさを感じ、自分のバックグラウンドを共有することに抵抗がなくなっていきます。
最後に、相手が自分の「未来」や「理想」について考えられるような質問を投げかけます。たとえば、「今後どのようにキャリアアップしていきたいですか?」や「事業をどのように成長させたいと考えていますか?」といった質問で、見込み客に理想の未来をイメージしてもらいます。
こうして理想の状態が聞けたら、その理想に向けて「今、何が足りないのか?」という現状の課題を具体的に把握できます。このプロセスを経て、理想と現状のギャップを埋めるための解決策として商品を提案することが、営業トークの重要なコツです。
3.商品を手にした未来の話をする
営業トークのコツとして重要なのは、商品の良さを説明するだけでなく、「その商品を手にした後の未来」を描かせるトークをすることです。なぜなら、見込み客は商品の具体的な特徴や機能よりも商品を使った未来を手にしたいと考えているからです。
私たちは、単に商品そのものにお金を支払うのではなく、商品を使うことで得られる「未来の結果」に価値を感じています。例えば、よく知られている例として、ドリルを購入するのはドリル自体が欲しいからではなく、それを使って作る「穴」という結果が必要だからです。
ですから、営業トークでは商品の性能や機能ばかりを強調するのではなく、商品がどのような未来を提供してくれるかを伝えることが肝心です。もし、あなたが健康食品を取り扱っているなら、その商品を摂取した人がどのように健康を取り戻し、活力ある生活を送っているのかといった具体的な事例を使って、理想の未来を描かせるようにしましょう。
「理想的な未来」を具体的にイメージさせることが、営業トークを成功に導くための大切なコツです。事例やお客様の声を伝えることにより、相手は自分自身がその商品を使うことで同じ未来を実現できるという期待を抱き、成約に繋がりやすくなります。
4.事前にクロージングの承諾を得る
これまで紹介した営業トークのコツを活かすことで、相手から「もっと詳しく知りたい」「費用感はどれくらいですか?」と自然に興味を持ってもらえるようになります。
しかし、この時点で焦ってクロージングに持ち込むのは避けるべきです。なぜなら、この段階の見込み客は「気になる」程度であり、まだ「欲しい!」という強い欲求には至っていないことがほとんどだからです。
そのため、クロージングの前に必ず事前の承諾を得るようにしてください。例えば、「もしよろしければ、次回改めてご提案させていただきたいのですが、お時間をいただけますか?」と丁寧にクロージングの承諾を求めましょう。
もしここで「いや、そこまでは」と反応された場合でも、「失礼しました」とスマートに引き下がることができ、無理に押し売りをするリスクを回避できます。
一方で「ぜひお願いします」と前向きな返答を得られれば、その見込み客はすでに高い欲求を持っており、成約率もグッと高まります。クロージングの事前承諾は、見込み客の購買意欲を正確に見極めるための重要な判断基準です。
何度も強調しますが、営業トークの目的は、見込み客に「欲しい!」「買いたい!」と思わせることです。相手の心がまだ準備できていない段階でクロージングに進むのは、成約率を下げてしまう原因になりますので、慎重に進めてください。
5.営業もクロージングもしない
ここまで散々営業トークのコツをお伝えしてきましたが、究極の営業トークのコツは、「営業もクロージングもしない」ことです。
筆者が成約率7割超を達成できる理由は、相手が「欲しい!」と思う状態、つまり理想の未来を明確にイメージできるまでは決して提案をしないからです。どんな見込み客に対しても、焦ってクロージングに持ち込まず、短くても3回、場合によっては1年以上かけて関係を構築します。見込み客が商品に対して欲求を感じるまで、時間をかけて信頼を築く「待ち」のスタイルが、実は最も効率的かつ高い成果を生むのです。
「理想の未来」を見込み客に想像させることができれば、こちらから無理に提案しなくても、自然と相手は商品を欲しい状態になります。そのためには、自分が話す力よりも、相手の話をしっかりと「聞く力」が重要です。相手の言葉に耳を傾け、真のニーズや理想の未来を引き出すことに集中しましょう。
大切なのは、相手がどのように感じ、どのような状態にあるかを常に考え続けることです。関係が維持できている限り、提案のタイミングは後からでも調整可能です。しかし、失注してしまうと、その時点で関係性が終わり、再提案の機会も失われます。
つまり、真の営業トークのコツは「無理に営業もしないし、クロージングもしない」という姿勢を持つことです。相手のニーズと理想に寄り添いながら、最適なタイミングを見極めることが、成約率を高める秘訣です。
まとめ
営業トークのコツは、単なる商品の説明や心理テクニックに頼るのではなく、見込み客との信頼関係を築き、相手が理想の未来を具体的にイメージできるようにサポートすることです。
自己開示から始まり、相手の現状や未来のビジョンを丁寧にヒアリングすることで、見込み客の本当のニーズを引き出すことができます。そして、焦らずに相手の「欲しい!」という気持ちが芽生えるまで待つ姿勢が、結果的に高い成約率につながります。
ぜひ、こちらの記事で紹介した営業トークのコツを活用して、相手に寄り添い、信頼と共感を築き上げる営業トークを心がけてみてください。