ビジネスや冠婚葬祭などで、どうしてもスピーチをしなければならず困っていませんか?
「私は人見知りであがり症だから人前で話すのは苦手」
「スピーチが上手な人はもともとの性格でしょ?」
そう考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし“コツ”さえ習得してしまえば、誰でも上手にスピーチすることが可能です。スピーチが上手な人は知らず知らずそのコツをマスターしています。
そこでこの記事では、人前で話すのが苦手な人も上手にスピーチができるよう、スピーチのコツやトレーニング方法について紹介します。
記事を読み終える頃にはきっとあなたも「スピーチってこうすれば良かったんだ!」ということがわかるはずです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
話し方の前にスピーチは見た目も大事
さっそくスピーチの話し方について……といきたいところですが、話し方の説明をする前にとても大事なことをお伝えしなければなりません。それは、スピーチは見た目も大事ということです。
残念ながら、聞き手は見た目の第一印象でその人の話を聞くか聞かないかを無意識で選別しています。
さあ思い出してみて。あなたも学生時代に、どちらかというと見た目がイケている人の意見を優先的に聞いていませんでしたか?
え~、そんなこと決してな……いやあったわー!
そう、人は見た目で判断をする。そういう生き物なのです。
とはいえ、大人になってからは顔のカワイイ、カッコイイということはあまり関係ありません。どちらかと言えば、清潔で好印象を抱くことができるかどうかといったことが重要です。
例えば……。
・自分に似合っている格好をしているのか?
・清潔感のあるヘアスタイルをしているか?
・靴が汚れたりくたびれたりした感じになっていないか?
上記のようなことで判断されることがとても多いのです。逆にいうと「見た目を整える」だけで聞き手はあなたの話を聞いてくれるようになります。
他にどのような“見た目”について気を付ければ良いか見ていきましょう。
笑顔で自信を持ってスピーチしよう
スピーチの前って緊張しますよね。
人によっては手が震えて、メモを持ってきたのに見るのも忘れて頭が真っ白に……。なんて人もいるでしょう。でも緊張する時こそ、深呼吸をしてニッコリと笑顔でスピーチにのぞんでください。
舞台に上がる前に、「ハァーッ」っとしっかりと息を吐き切って深呼吸すれば緊張も和らぎます。緊張が和らいだらニッコリ笑顔を作ってみましょう。
笑顔は聞き手を惹きつけ、そして聴き手を安心させてくれます。笑顔でスピーチすることで、あなた自身にも余裕ができるので堅くなり過ぎず生きたスピーチができるはずです。
それと目線を安定させることも大切です。猫背で視線が動かない。きょろきょろして落ち着かない。こんな感じの話し方だとしぐさにばかり目がいってしまい肝心な話が耳に入ってきません。
目線を安定させ、ニッコリとした笑顔だと不思議と自信があるように見えます。そういう人の話なら安心して聞くことができるのではないでしょうか。
スピーチの時は笑顔で自信をもって話すことが大切です。
スピーチする時のボディランゲージは大げさに!
どんなに素晴らしいスピーチでも人々の頭に記憶されなければ意味がありません。より記憶されやすくするためには話の内容に加え、印象に残る動きをすることも大事です。
芸人さんの一発ギャグは、大げさな動きだからこそ強く印象に残りますよね。
「ゲッツ!」「なんでだろう~」「そんなの関係ねぇ!」「はい、オッパッピ~」
いや、チョイスに年代を感じるわ。あと小島よしおさんの同じギャグを分割して紹介すな。……でも確かに動きがあると記憶に残りやすいわよね。
スピーチに一発ギャグを取り入れるのは難しいですが、ジェスチャーなどボディランゲージを取り入れることで相手の記憶に残りやすくなります。
「ここが大事だ」と強調したいところにボディランゲージを取り入れると、あなたの情熱が相手に伝わりやすくなります。
またボディランゲージの効果はそれだけではありません。ボディランゲージをすると相手だけでなく、自分の脳にも記憶が刻み込まれやすくなります。
自信をもってスピーチするためにはいかに内容を把握しているかが重要です。ボディランゲージは相手のためにも自分のためにも効果的といえるでしょう。
ちょっと大げさなくらいのボディランゲージを加えて話をすることで、皆の心に残るスピーチができるはずです。
スピーチで使える話し方のテクニック
スピーチで聴衆の心を掴むにはどうすればいいか? 本や映画と同じで一番最初がつまらなければ、真剣に聴いてくれる人は半減してしまいます。
また、最初のつかみはオッケーでも、やたら「えーと」が多く、単調なスピーチだと聴衆は飽きてあなたの話を聞かなくなってしまうでしょう。
ではどういったテクニックが有効か。順番に紹介しましょう。
スピーチではインパクトあるつかみが大事
何度もスピーチをしていて、「もっと上手にできるようになりたい!」と思っている人は、つかみがどれだけ大事かわかっていると思います。
つかみとは相手の気持ちを引き付けるために冒頭で述べる話のことです。インパクトのあるつかみほど相手はあなたに興味を持ち、話の続きを聞いてみたいと思います。
効果的なつかみの代表例としては意外性のある話です。スピーチの最初に「え? そうなの?」という話をするとそれだけで相手を引き付けられます。
「真面目で正直者ほど、なぜ損をするかご存知ですか?」
「コラーゲンを飲んでも直接お肌に効くわけではないことを知っていますか?」
こんな感じのつかみをされたら思わず「続きが聞きたい!」と思いますよね。こうしたつかみは特にビジネスで営業やプレゼンなどされている人におすすめです。
でもこれってかなりレベルが高いんじゃない?
確かにそうだね。ちょっと難しく感じる人は、次のような方法もあるよ。
例えば、ガチガチに緊張してしまう方は素直に「とっても緊張しているので、まず深呼吸をさせてください」といって本当に舞台上で大きく深呼吸するのもひとつの手です。
素直に自身の状態を告白することで周りの人は「頑張って!」とあなたを応援したくなります。また、舞台上で深呼吸をするという行為はインパクトのあるボディランゲージなので印象に残りやすくなります。
もう一つは、素直に緊張していることやスピーチに不慣れであることを伝えることで自分自身も「完璧なスピーチじゃなくて大丈夫!」と肩の力を抜くことができます。
冒頭のつかみはとても大事です。自分の出来る範囲で構わないので、相手が興味を持ちやすいような話やエピソードを用意しておくようにしましょう。
エピソードを話すことで共感を得る
スピーチでは事実を淡々と述べるだけでなく、失敗談や工夫したことなど、あなた自身のエピソードも取り入れましょう。エピソードを話すことで、色褪せた絵画から急に色鮮やかに塗られた油絵のように奥深く人をひきつける話になります。
学校の授業を思い出してください。先生が勉強の重要性を説こうと「受験では内申点が大切」「一日○○個以上の英単語を覚えれば点数が〇〇点アップする」と熱弁をふるっています。
しかし、こうした話は事実ばかりを述べていて聞き手の心には響きません。
そこで、次のような話し方だったらどうでしょうか?
オレ、テストの点数は良かったのに成績が全然上がらなかったんだよね。なんでだと思う? 実は、内申点の存在をまったく知らなかったんだよね(笑)
当時勉強のやり方なんて全然わからなかったんだけど、とりあえず一日に英単語〇〇個暗記してみたの。そしたらテストで〇〇点もアップしたことがあるんだ。私ってすごくない?
つまらない話が急に親しみを感じる話になったのではないでしょうか。
スピーチもこれと同じです。事実をただ述べるだけでなく、それに関連するエピソードを紹介することで、共感を得たりもっと聞いてみたいと思わせたりすることができます。
つまらない話を色鮮やかに話すためにも、ぜひエピソードを取り入れてみてください。
抑揚と間を使ってメリハリあるスピーチをする
スピーチには抑揚や間がとても大事です。思い出してみてください。学校の授業でただ教科書を読み上げるだけの退屈な授業を。単調でつまらなかったですよね?
とくに大事なのは間です。 スピ―チ初心者さんは沈黙を怖がり、つい間をあけずに早く話を終わらそうとしてしまいがち……。そうなると「えーと」「あー」などの言葉が雑音として入ってしまいます。
また抑揚も大事です。 声の大きさやスピード、トーンの高さなどは一定にせずに話をするよう心がけてください。
音楽でもイントロがあって、AメロがあってBメロがあるからこそサビが生きてきますよね? どこが話の聞かせどころで、どこが話の着地点なのかを必ず意識して話を作ってください。
そして、スピーチの時にここが要! というところを強調したり、あえて沈黙を作って間を置いたりしてみましょう。抑揚と間を効果的に取り入れることで聞き手をひきつける話し方になりますよ。
抽象的な表現は控えて具体的にスピーチする
あなたのお子さんがこう言ったらどちらを評価しますか?
「今度の英語のテストで80点以上とれるように毎日単語を10個覚えるよ」
「テストでいい点とれるように頑張るね」
前者のほうが明確に何をしたいのかが伝わってくるではないでしょうか?
これは後者が抽象的な表現をしているのに対し、前者は具体的な表現をしているためです。抽象的な表現は意気込みだけで実行力がないように聞こえてしまいます。
特にビジネスの場では「改善」「発展」「向上」などの言葉が飛び交っていますよね。しかしこれらの言葉は使い方を間違ってしまうと“とりあえず入れてみた感 ” の強い抽象的な表現に聞こえてしまいます。
私の部署は、業務の効率化を図って、全員残業せず定時で帰宅できるよう改善します!
効率化ってなに? どう改善するの?
……。
一方で、次のような具体的な表現であれば実行力があるように聞こえます。
私の部署は、全員残業せずに定時で帰宅できるように改善します。そのために時間帯別の業務分担表を作成し、全員の作業状況を可視化させ進捗管理を行い効率化を図ります。加えて1か月後、3か月後にみんなで会議をしてアセスメントし、より良い方法がないか軌道修正をしていきます
ビジネスの場では言葉が自分の意図した通りに相手に伝わっているかが重要です。スピーチに説得力を持たせたいのなら、なるべく具体的な表現をするよう心がけましょう。
効果的なトレーニング方法でスピーチの話し方を上達させよう
スピーチは知識を取り入れるだけで上達するものではありません。それなりのトレーニングと場数を踏む必要があります。
特にトレーニングの仕方は重要です。効果的なトレーニングができるかどうかによって本番の成功が大きく左右されます。そこで最後にスピーチを上達させるためのトレーニング方法について紹介します。
スピーチの様子をスマホで録画してチェックしよう
スピーチのトレーニングをする際、他人に見てもらい評価してもらうと、自分では気づかなった長所や短所を知ることができます。しかし「人前で練習するなんて恥ずかしい」「トレーニングに付き合ってくれる相手がいない」という人もいると思います。
そこで、まずはスマートフォンでスピーチを録画しチェックすることからはじめましょう。
録画する時のポイントは、途中で話が詰まったり間違ったりしても一切止めず最後までやり切ることです。他人がいないひとりきりのトレーニングですが、それなりの緊張感があるはずです。
そして録画が終わったら再生して気づいたことをメモしていきましょう。「自然な話し方になっていない」「早口で聞き取りづらい」といった短所はもちろん、「笑顔はOK」「〇〇の部分は完璧!」と長所も忘れずメモします。
動画を見直すことで自分を客観的に見ることができます。この第三者目線のチェックが、あなたを飛躍的に成長させるトリガーになりますよ!
小さな成長を感じて自信につなげよう
とはいっても、初心者さんにとって自分の動画を見ることほど恥ずかしいものはありませんよね。ダメなところばかりが目についてイヤになってしまうかもしれません……。
しかし、よく考えてみてください。最初から完璧に上手くいく人などいるのでしょうか。まずは恥ずかしいと思いながらも録画し、チェックした自分の行動力を褒めてあげましょう。そして、最後までスピーチをやり切った事実を素直に受け止め、自信に変えていきましょう。
動画をみてダメだなと思ったところは1つずつで良いので直してみてください。そして何度もトレーニングとチェックを繰り返し、少しずつでも自分が成長していることを実感してください。今まで出来なかったことが、1つでもできるようになるってスゴイことだと思いませんか?
客観的な目線で自分を見ることが成長のきっかけとなります。小さな成長を感じることができれば「もっと成長したい!」「もっとできるようになりたい!」という良い方向に必ず向くはずです。
まとめ
「スピーチの上手さは持って生まれたその人のセンス」と思っていた方も多いと思います。しかし、そうではないことがこの記事を読んでわかっていただけたのではないでしょうか。
大事なことは、相手の立場で考え、相手に伝わる話し方を追求することです。そうすることで自然と人に聞いてもらえるスピーチ、聞き手の心をつかむスピーチになります。
また、技術はトレーニングしないと上手に使いこなすことはできません。知識を習得したらあとは実践とトレーニングを積み重ねていきましょう。
さいごに
このブログを書いている僕は、完全オーダーメイド式の話し方教室を運営しています。
もしあなたが上手にスピーチできず悩んでいるのなら一度、僕に相談してみませんか?
コールセンターに15年間従事し、専属の研修講師として100名以上を教えた話し方ノウハウであなたの悩みを全力でサポートいたします。
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