どうも! 教え方コンサルタントのきむにぃです。
「何から話せばいいの?」「どうすれば伝わるの?」など話の組み立て方に悩んでいませんか?
話し上手な人は、順序良く筋の通った話をするので、言いたいことがきちんと伝わります。話の組み立て方を知って、少しでも話し上手になれたら嬉しいですよね。
でも、ちょっと待ってください! 実は話の組み立て方を知る前に、やらなければいけないことがあるんです。逆に話が苦手、話し下手な人はこれをちゃんとやっていません。
そこで、この記事では
・話が伝わらない原因
・組み立て方を考える前にやるべきこと
について解説します。
この記事に書いてあることを実践していただければ、話しの組み立て方を知らなくても、これまでよりずっと話が伝わりやすくなります。ぜひ、最後まで読んでくださいね!
話が伝わらないのは組み立て方のせい?
話が伝わらない原因として、よく話しの組み立て方が取り上げられます。
「あなたの話が伝わらないのは組み立て方がいけないから!」「話す順番を変えるだけで伝わる!」こうした情報はコミュニケーションに関するどの書籍にも書かれています。
もちろん、そのことを否定するつもりはありません。僕自身、わかりやすく、伝わりやすく話すためには、話の組み立て方が重要だと考えています。
ですが、それだけで話が伝わりやすくなるかといえばそうではありません。巷にはさまざまな話の組み立て方のテンプレートがありますが、これに当てはめるだけでは意味がないのです。
その理由について順を追って説明したいと思います。
もっとも基本的な話の組み立て方
なぜ、話の組み立て方が上手くできても伝わりやすくならないのか。これを説明するために、もっとも基本的な話の組み立て方を知ってもらい、実際に例文をみて体験してもらいたいと思います。
伝わりやすい話し方をするためのテンプレートやテクニックはたくさんあるのですが、中でも一番基本的な形が「三段構成法」です。大学などで論文の書き方として習った方もいるのではないでしょうか。
三段構成法
話す順番を「序論」→「本論」→「結論」の順番で話す方法です。
序論とはこれから話す事柄について「結論は何か」「問題となっていることは何か」などを簡単に述べる部分です。あらかじめどういう方向に話が向かっていくかを予告することで、話の全体像を把握してもらう役割があります。
続いて本論は、序論に対して「なぜ、そうなるのか」「どういった根拠があるのか」という理由や詳細を述べる部分です。客観的で信ぴょう性の高いデータを用いることで、誰でも納得できる話しになります。
最後の結論は、序論と本論をまとめあげ、「だから〇〇である」と結論付ける部分になります。聞き手としてはすでに理由や根拠を示されているので、改めて結論を言われることで「なるほど、そうなのか」と納得感が強くなります。
よく話を伝わりやすくするために「結論から言いなさい」といいますが、三段構成法はまさにこれに適した形といえますね。
https://atama.co.jp/entry/ketsuronkara-hanasu/
話を組み立てているのに伝わらない!
話を伝わりやすくするための基本的な組み立て方として三段構成法を紹介しました。では、この順番で話しを組み立てれば、伝わりやすい話し方になるのか。次の例文を読んで考えてみてください。
法律の勉強をしている人なら意味がわかると思いますが、そうでない人にとっては「?」だったと思います。
基本的な話の組み立て方に沿って文章を書いているのに、なぜ話が伝わらなかったのでしょうか。その原因をみていきましょう。
話が伝わらない原因
上記の例文が伝わらなかったのには理由があります。
相手の知識レベルを無視している
さきほど「法律を勉強している人なら意味が分かる」と書いたように、この例文はある程度の法律知識を持っている人なら理解することができると思います。
反対に法律知識がない人にとって「通謀」「仮装譲渡」「善意の第三者」「対抗」という用語は馴染みのあるものではありません。そのため、いくら話の組み立て方ができていても知らないことだから伝わらないのです。
自分が当たり前と思っていることでも、他人からすれば知らないことが多くあります。自分が話すことについて、相手が「知っているはず」と思うのではなく、「もしかして、知らないかも」と相手の知識レベルを考えて言葉を選ぶ必要があります。
一文が長く主語がわかりづらい
「AがBと通謀してBに土地を~できません」という一節がありましたが、いまいちどういう状況なのかイメージしづらかったですよね。
これは、一文が長く主語がわかりづらいためです。A、B、Cという3人の登場人物について、”誰”が”何”をしたのか、1回聞いただけでは状況を把握するのが難しいはずです。
この一節を分解してみると「AとBは通謀してAの土地をBに仮装譲渡した」「Bは仮装譲渡された土地をCに転売した」「Cが仮装譲渡を知らなかったので、AはCに無効を主張できない」という内容に分けることができます。
一文が長いと、聞き手は言葉を追うことに必死になってしまい、話しの内容まで頭の中に入ってきません。知らない用語がたくさん使われていたらなおさらです。
そのため、一文は主語と述語を近づけて、なるべく短くすることで伝わりやすい話し方になります。
伝える、ではなく「伝わる」ことに意味がある
伝える、というのは話し手の一方的な行為です。相手が「わかった」とうなずいても、話し手の意図した通りに伝わっていなければ意味がありません。
例えば話し手が麻素材の衣服について「アサって涼しいよね」と言ったのに対し、聞き手が「そうだね」と言いながら”朝の涼しさ”を想像していたとしたら、それは伝わっていないことになります。
伝わる、というのは、自分が想像した通りの光景を相手にも同じように想像してもらうことです。そのため、「上手く伝える」ことよりも「相手に伝わる」ことを第一に考える必要があります。
話しの組み立て方を考える前にやるべきこと
ここからは、相手に伝わる話しをするために、話の組み立て方を考える前にやるべきことを解説していきます。
主題(テーマ)を1つに絞る
話しをするときは「あの話をしよう」とあらかじめ考えて話し出すのが普通です。これをテーマといいますが、1つの話に対して、テーマは必ず1つまでにしなければなりません。
「で、結局何が言いたいの?」と言われてしまう人は、話しのテーマが絞られていません。伝えたいことがたくさんありすぎて、あれもこれも話に詰め込んでしまうのです。
例えば、「水族館に行った」話をしようとするとき、「水族館に行ったことについて」というテーマにしたとします。すると、水族館にいた魚の話からイルカショーの様子、どういう経路で水族館まで行ったか、なども含まれてしまい話す範囲が広くなってしまいます。
話す範囲が広くなると、その分話が長くなりますし、話しがあちらこちらに飛んでしまいます。結局、魚の話なのか、イルカショーの話なのか、はたまた水族館に行く途中にあったパーキングエリアの話なのか、話し手が何を伝えたいのかわかりづらくなってしまうのです。
一方、「水族館に行ってペンギンを見た感想」というテーマであれば、話すことはそのテーマに限られます。どんなペンギンがいたか、ペンギンを見てどう思ったか、とペンギンの話に集中して話を組み立てるだけで済みます。
相手に一番伝えたいことは何か、これを決めておくと、話している途中で話が横道に反れてしまうようなことがなくなり、聞き手の混乱が避けられます。
また、自分自身話している途中で「何の話をしていたんだっけ?」ということがなくなり、一本筋の通った話し方ができるようになります。
どういう状況で話をするのか考える
話す場所、伝える状況によって、話を最後まで聞いてもらえないことがあります。場所的、時間的な制約がないか、ある場合はどう対処するか、などを考えておく必要があります。
例えば、あなたが開発に携わった新製品の性能について会議で発表することになったとします。あなたの発表を聞くために会議が開催されたのであれば、他の社員はみな注目しますし、話しも最後まで聞いてもらえるはずです。
しかし、同じ話を取引先や顧客の前で話す場合はどうでしょう。最後まで黙って話を聞いてくれるでしょうか。はなからあなたのことを好意的にみているなら別ですが、そうでないのなら「そんな製品に興味ない」と一蹴されてしまうこともあるでしょう。
これはビジネスの場に限ったことではありません。日常生活でもこうしたことはよく起こります。
友人と旅行にいった話をご主人や家族は、にこやかに聞いてくれるかもしれません。しかし同じ話をご近所のママ友に話しても「そうなの。あ、実はうちもこの前旅行に行ったんだけど」と途中でさえぎられてしまうことだってあります。
話をするときは、どういう場所で話すのか、最後まで話を聞いてもらえるのか、状況をきちんと考え、その状況にふさわしい話しを考えておくようにしましょう。
相手の立場に立って言葉を選ぶ
状況と同じように「誰に」対して話すのか、ということもあらかじめ考えておかなければなりません。これから伝える話を相手がどの程度わかってくれるのか、相手の知識、理解のレベルを考えて言葉を選ぶ必要があります。
私たちは、自分が知っている知識を、他人も当然知っているであろう、と考えてしまう悪いクセがあります。「それって常識だよね」「普通に考えればわかること」などと思う気持ちはわからないでもないですが、自分の常識=他人の常識とは限らないのです。
それなのに相手も知っているであろう、ということを前提に話を進めてしまうと、聞き手は話しについていけなくなってしまいます。人によっては「自分はこんなこともわからない人間なんだ」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
そのため、これから話す相手が誰で、どの程度この話に理解があるのか、きちんと相手の立場に立って考える必要があるのです。
働いたことのない人にはビジネス用語を使わない、社外の人間に社内用語は使わない、専門知識が必要な時はかみくだいて説明する、など少しの工夫で相手に思いやりのある伝え方になります。
目的を考える
あなたが伝える話によって、相手にどのような行動をとってもらいたいですか? 世間話くらいなら自分が楽しめればいいですが「伝わる話し方をしたい」と考えているのであれば、その先に必ず目的があるはずです。
お客さまに商品を買ってもらいたい、上司にプレゼンを通したい、自分の話で感動してもらいたい、子供に宿題をやってもらいたい、など話す目的が明確に定まっていると、自然と話の組み立てができるようになります。
例えば、お客さまに商品を買ってもらいたい、と考えているなら、いきなり「この商品はオススメです。どうか買ってください!」という話からは始めないですよね。
「セールスと思われないように、まずは悩みに共感してみよう」とか「商品の特性やメリットを伝えてみよう」など、どういう順序で話せば買ってもらえるか、という視点で話を組み立てることができると思います。
反対に目的が定まっていないと、上手く話すこと自体が目的となってしまい、相手に行動を促すというところまで辿り着けません。
相手にどういう行動をとってもらいたいのか、どう思わせたいのか、話す目的をきちんと設定することで、より説得力のある話しにすることができます。
まとめ
話す、というのは相手ありきの行為です。話すからには相手に伝わらなければなりませんし、伝わったのならば、行動を起こしてもらう必要があります。
相手に伝わりやすくする話しの組み立て方はたくさんありますが、表面的なテクニックだけを駆使しても、相手には伝わりません。聞き手にとって自分事として捉えてもらわなければ、決して相手の心に届くことはないのです。
そのために「何を伝えるか」「どこで伝えるか」「誰に伝えるか」「伝えてどうしたいのか」を話す前にしっかりと考えるようにしましょう。
さいごに
このブログを書いている僕は、完全オーダーメイド式の話し方教室を運営しています。
もしあなたが話の組み立て方やわかりやすい話し方ができず困っているのならぜひ一度、僕に相談してみませんか?
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