どうも! 教え方と伝え方のスーパーバイザー、きむにぃ(@kimuniunchi)です。
どうやって人に教えればいいのかわからないと悩んでいませんか?
「教育係を任されて困っている。」「教え方なんて習ったことない!」教え方について一般的な人はわからないことだらけだと思います。
しかし、世の中には教え方が上手い人がたくさんいます。そして、そういう人たちが実践している特徴というのもたくさんあります。
そこでこの記事では、
・教えるために持つべきマインド
・教え方が上手になるテクニック
この記事では実際に僕が実践して効果のあったこと、僕自身が教わる側として良かったと思ったものを書いています。教え方上手の特徴を真似すれば、もう教え方について悩むことはなくなりますよ!
教えることの目的
会社などの教育でありがちなのが教えたらそれでおしまいという引継ぎ的な考え方です。しかし、教えるというのはあくまでも手段であって目的ではありません。
教えることの先にある目的、それは自立です。学校教育であれば一人で問題が解けるようになる、仕事であれば一人で仕事ができるようになる、つまり相手を「できる」状態にすることが教えることの目的です。
教えるという手段は段階的なものです。最初は1~10まで丁寧に教え、ある程度の知識が備わってきたら自分自身で考えさせる。そして、最終的に「できる」状態にします。この一連の流れが”教える”ということです。
教え方上手が持っているマインド
教え方というと伝え方、話し方のようにテクニックの部分が注目されがちですが、それだけで上手い教え方ができるわけではありません。教えるということについて根底で支える考え方や精神が必要になります。
ここからは、教え方のテクニックよりも前に、まずは教え方の上手い人がもっているマインドがどういうものなのか説明したいと思います。
優しく柔らかい姿勢で接する
教える人というと、学校の先生をイメージする人が多いでしょう。先生といえばちょっと怖い存在でしたよね。入社したばかりの新人も、教育係に対して同じようなイメージを抱いています。
そのため、威圧的で横柄な態度をとることは論外。力関係で相手を支配しようとするのは教え方の下手な人の特徴です。教え方が上手い人は教わる側の気持ちをよくわかっているので、物腰柔らかく親しみやすい姿勢で接します。
なめられたら困るとかパワーバランスがおかしくなるという意見もありますが、それは心配ありません。教わる側は不安な気持ちでいっぱいです。少しでも緊張を解きほぐし、リラックスして教わってもらった方が、結果的に学習の定着度も高まります。
対等な関係を意識する
教えると教わるの関係は、どうしても教わる人が劣ってみえてしまいます。しかし、それは知識面だけの相対的な優劣に過ぎません。当たり前のことですが人間としてはみな対等です。そのため、対等な関係を意識、維持する必要があります。
尊大な態度がダメということはわかると思いますが、反対に馴れ馴れしいのもよくありません。親しみやすさを演出するためタメ口を使う人がいますが、結局教わる側は敬語を使わざるを得ないので、対等関係は成り立ちません。
相手を一人の人間として受け入れ、尊重する。教え方が上手い人は、あくまでも「教える」という役割に就いているだけと考え、常に距離感を大切にしています。
知らないという前提から入る
今は教える立場かもしれませんが、最初は誰でも初心者です。自分に知識があるのは長く続けているからであって相手より優れているからではありません。自分が教えてもらっていた頃をよく思い出して「そんなこともわからないのか。」と思わないようにしましょう。
教えると教わるでは必ず理解のギャップが生じます。教える側は当たり前と思うことも、教わる側にとっては知らないことが多くあります。そのため、まずは相手が知らないという前提でわかりやすくかみ砕いて教えるようにします。
そして、教えるという行為を通して、相手の理解度もみえてきます。ある程度理解しているなと思えば、これまでかみ砕いていた言い方を元に戻して様子をみる、相手のレベルに合わせて教え方も変えていくというのが教え方が上手い人の特徴です。
いつでもフォローするという雰囲気
教えることの目的は相手の自立です。そう考えると、教えることより、むしろ教えた後の方が重要でしょう。
せっかく教えたことでも人間は翌日に70%以上忘れるといわれています。そのため、教えたらそれでおしまいではなく、教えたことをいかに長期的に記憶してもらうかが自立させるためのポイントです。
教わる側は日々教わったことをちゃんと覚えているか不安を抱えています。「何でも質問してくださいね。」「わからないことがあったらいつでも頼ってください!」というフォローする姿勢が相手に安心を与えることになります。
教え方上手が使うテクニック
教え方のマインドが備わっていれば、おのずとどのように教えるべきかなんとなくみえてくると思います。
ここからは、教え方が上手い人がやっている具体的な手法、テクニックについて説明します。
手本を見せた後に説明する
教えるというのは相手の知らないを知るに、知るをわかるに、わかるをできるにするための一連の手段です。知らないことを知るにするためには、資料を見せたり説明したりするだけでいいかもしれません。
しかし、知っている状態からわかる、つまり理解する状態にするには実際の仕事と知識をつなぎ合わせてあげる必要があります。そこで、あれこれと説明をするより前にまずは手本をみせることで理解度がグッと上がります。
手本を見せた後に、今のはどういう作業だったとかこういう理由であの動きをしていたとか説明すると相手の脳は説明と手本の映像がリンクしやすくなります。手本を見せた後の流れは次の記事で詳しく解説しています。
https://atama.co.jp/entry/howtoteach-work/
先にゴールを示してから教える
教え方が上手い人は、教える順番を工夫します。例えば、Excel初心者にいきなり「セルに値を入力する」「罫線を引く」「関数を入力する」という操作を作業順で教えても何をやっているのかよくわからないだろうと思います。
しかし、「これからExcelというソフトを使って在庫管理表を作る。」「Excelではセルというところに計算式を入れれば自動的に答えが表示される。」というような説明から入れば、ひとつひとつの作業が何のためにあるのかきちんと腑に落ちます。
このようにあらかじめ仕事のゴールを示してあげることで、教わる側は安心して教えを受け入れられるようになります。
なぜそうなるのか根拠を説明する
物事を覚える際、根拠や理由が伴っていないと丸暗記になってしまいなかなか覚えづらいですよね。教え方が上手い人は何のためにそれをするのか、なぜそうなるのかという根拠を必ず説明します。
よく教育現場では「とりあえず覚えてくれればいいから。」といって根拠を説明しない人がいまう。しかし、それでは覚えづらいばかりか、覚えたことしかできなくなってしまいます。
教えたことに対して、理由や根拠まで説明すれば、イレギュラーな事態が発生しても、臨機応変に対応できるようになります。
具体例やたとえ話を取り入れる
教わる側の理解を早めるために、教え方が上手い人は具体例やたとえ話を多く取り入れます。馴染みのないことでも 具体的な事例を伝えたり 身近なものにたとえたりすることでイメージがつかみやすくなります。
例えば、「法人とは、法律上人と同じように権利義務の主体として認められるもの」と説明されてもわかりづらいですが、「あなたが会社を設立してもあなたと会社は別の人間として扱われる。たとえ会社の名前で借金したとしても、あなた自身が返済義務を負うわけではない。」と具体的に言われれば理解しやすいでしょう。
また、アニメ好きな人には「艦これが軍艦を擬人化しているように、法人も組織を一人の人間として擬人化させたものと考えることができる。」と身近なものにたとえることもできます。
たとえ話の作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
https://atama.co.jp/entry/metaphor/
教える範囲を明確にする
先にゴールを示して教えるのと同じように、どこまで覚えるべきか、どこからは知らなくてもいいのかといった範囲を明確に示すことも上手い教え方のひとつです。
研修などの教育でありがちなのは、教わる側が言われたことすべてを記憶しようとしてしまうこと。教わる側は情報の優劣をつけることができないため、何でもかんでも暗記しようとしてしまいます。
そこで、教える側は「このキーワードと意味だけは覚えておいてくださいね。」とか「このページの内容はなんとなく知っていればOKです。」「今の話は現場でもう一度やるので忘れて大丈夫ですよ。」というように伝えれば、教わる側もどの情報が重要なのか判断できるようになります。
言葉で説明する以外の方法も使う
教える方法には、言葉で説明する以外に、体験させる、ジェスチャーを入れる、図解や模型を用いるなど様々な方法があります。
例えば、「壁につま先を付けた状態で背伸びをしても壁に重心移動を妨げられるため背伸びできない。」と言葉で説明されるよりも、実際に壁につま先をつけて背伸びしてもらった方がそれがどういうことなのか実感してもらえます(実際にやってみるとおもしろいですよ!)。
また、言葉だけでは伝わりづらい概念的なものや時間の流れなどは図解や模型にして説明した方がはるかに理解しやすいです。
教える量を調節する
一気に知識を詰め込もうとすると、教わる側の集中力が途切れてしまい、頭がパンクしてしまいます。そこで、教え方が上手い人は、相手に合わせて教える量を調節します。
冒頭述べたように教えることの目的は相手を「できる」状態にすること。一昔前の学校教育のように詰め込み式で、テストが終わったら忘れてしまうということでは意味がありません。
教育に期限があって、どうしても余裕をもって教えることができないという場合でも、合間に細かく休憩をはさんだり、ディスカッションなど座学以外の学習を取り入れたりすることで、集中力を持続させることができます。
インプットだけでなくアウトプットさせる
知識を得るためには、読む、聞くなどのインプットが必要ですが、書く、話すなどアウトプットすることでより記憶に定着されることがわかっています。
教え方が上手い人は、一方的に教えるだけでなく、事あるごとに相手に説明させたり、簡単なテストを解いてもらったりして、アウトプットを重視します。実際、教える人の知識量が多いのは、教えるというアウトプットを常にしているからに他なりません。
ちなみに質疑応答なども有効なアウトプットですが、「何かわからないことはありませんか?」と聞くのはNGです。そもそも初学者は「わからないことがわからない。」という状態であるため、上記のような質問をしても「特にないです。」と言われるだけです。
相手に質問することを委ねるのではなく、「今日教えた〇〇の手順をもう一度聞きたい人はいますか?」とか「さきほど説明した3つのポイントを忘れている人はいませんか?」のように具体的に相手が考えられるような投げかけを事前に行っておくといいでしょう。
成果を実感できるようにする
教育期間が長い場合、教わっている人は「このまま独り立ちできるのだろうか。」「何の役にも立っていないのではないか。」という不安に襲われます。
特に、自分が今どれくらいできるようになっているのかわからないという人が多いのではないでしょうか。そこで、教え方が上手い人は、学習した成果を実感できるような工夫を施しています。
例えば、教育期間中でも簡単な実務は手伝ってもらい、「ありがとう、すごく助かりました。」と承認するだけで役に立っているということを実感してもらえます。
また、これまで教えたことをどの程度理解しているか発表してもらったり、小テストで答えてもらったりすることで、客観的な意見や数字など目に見える形で自分自身を振り返ることができます。
まとめ
教えることは相手を自立させるための支援です。知らないことを知ってもらい、記憶してもらい、理解してもらい、できるようになってもらう。この一連を教える人は担っています。
責任が大きく負担を感じるかもしれませんが、教えた相手の成長を実感できるのは教える人の特権であり大きな喜びです。
教育から目をそらさず、すべての人に学ぶことの楽しさを知ってもらえるよう、教え方が上手い人の特徴を参考にしてもらえればと思います。
さいごに
このブログを書いている僕は、完全オーダーメイド式の話し方教室を運営しています。
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