きむにぃ
きむにぃ

どうも! 教え方と伝え方のスーパーバイザー、きむにぃ(@kimuniunchi)です。

わかりやすい説明をするために、たとえ話が使えるようになったらいいと思いませんか?

たとえ話というと、頭の回転が速くてセンスのいい人が使っているというイメージがありますよね。そのため、「私には無理!」とあきらめている人も多くいるようです。

でも、ちょっと待ってください! たとえ話はちょっとしたコツで誰でも簡単にできるようになるんです。

そこでこの記事では、

・たとえ話をした方がいい理由
・たとえ話の構造
・誰でもできるたとえ話の作り方
について解説します。

たとえ話をマスターすれば、苦手な説明もスラスラできるようになり、「話がわかりにくい!」と言われるようなこともなくなります。ぜひ、最後まで読んで実践してみてください!

たとえ話とは?

たとえ話とは、難しい、分かりづらい物事を、似ているモノやコトに置きかえてわかりやすく説明する技術です。話がおもしろい人、説明が上手な人は、必ずといっていいほどたとえ話を使っていますよね。

たとえ話が使えるようになると、次のようなメリットを得ることができます。

① 話を最後まで聞いてもらえる
② 誰が相手でも腑に落ちる説明ができる
③ 問題解決力がアップする

例えば、営業マンが商品の特徴をたとえ話を用いてわかりやすく説明すれば、興味をもってもらいやすくなるでしょう。また、話す相手によって、たとえを変えることで、誰が相手でも腑に落ちる説明ができるようになります。

研修生A子
研修生A子

①と②のメリットはまさに営業マンにうってつけね。ところで③の「問題解決力がアップする」というのはどういうこと?

きむにぃ
きむにぃ

たとえ話のコツはいかに似ている物事を見つけ出せるかが鍵なんだ。例えば、仕事で問題が発生した時、プライベートの似ている経験を持ち出して問題解決を図ることもできるようになる。

研修生A子
研修生A子

うーん、逆にプライベートと仕事で何でこうも違うんだろうって思ったことならあるかも。私、手順が決まっている仕事では絶対ミスしないのに、料理だとよく失敗するのよね。

きむにぃ
きむにぃ

その仕事と料理って”手順通りに進めればミスしない”という点で似ているよね。そうすると仕事ではやっているけど料理ではやっていない何かがあるんじゃないかな?

研修生A子
研修生A子

あっ! 私、仕事では慣れた作業でも必ずマニュアルを見るようにしているけど、料理の時は初めて作る時しかレシピを見ていない。だから2回目以降に失敗することが多いのか!

きむにぃ
きむにぃ

常に似ていることや共通点はないか? という意識のアンテナを張っておくことで、問題に直面した時でも「そういえばこれってあの時に似ているな。」と解決の糸口が見つけやすくなるんだ。

このように、たとえ話は聞き手である相手のためだけでなく、話し手である自分のためにも大変役に立つ技術です。また、豊かな表現方法が身に付くことで、人とのコミュニケーションも楽しくなります。

たとえ話の種類

たとえ話の作り方を学ぶ前に、たとえ話の種類について簡単に確認しておきましょう。

たとえ話にはたくさんの種類があるのですが、すべて覚える必要はありません。ここでは、日常会話やビジネスですぐに使えるたとえ話の種類を紹介したいと思います。

比喩

比喩(ひゆ)とは、説明する物事と共通点がある別の物事を持ち出してたとえる表現方法です。

たとえば、「笑顔」と「太陽」は、それだけでは何の関係もない言葉です。しかし、どちらも「明るい」という共通点があります。そこで「太陽のような笑顔」という比喩が成り立ちます。

比喩にはさらに直喩と隠喩という表現方法があります。

直喩

直喩(ちょくゆ)とは、「〇〇のようだ。」「まるで〇〇だ。」のように、誰が聞いても比喩であることがわかる表現方法です。思ったことや感じたことを誇張して伝えたい時によく使われます。

・タイ料理は本当に辛い。口の中が火事になったようだ。
・うちの娘の可愛さといったら、まるで天使だよ。

実際に口の中が火事になることや、人間の娘が天使であることはありません。しかし、比喩を用いることで単に「辛い」や「可愛い」と言うより、辛さ、可愛さがより相手に伝わるようになります。

隠喩(暗喩)

隠喩(いんゆ)または暗喩(あんゆ)とは、直喩のように「〇〇のようだ。」といった言い方はせず、比喩であることをあえてわからないようにした表現方法です。メタファーともいいます。

・夢を叶えるために、僕は泥水をすする覚悟をした。
・昔はよく近所のオヤジに雷を食らったもんだよ。

間接的にそれとなく伝えるので自然に会話や文章の中に溶け込むという性質があります。また、直喩と比べ断定した言い方なので、より強いインパクトを残したい時に効果的です。

直喩と隠喩はどちらを使うべきか

研修生A子
研修生A子

たとえ話をする時は直喩と隠喩、どっちを使った方がいいのかな?

きむにぃ
きむにぃ

どちらか一方が優れているということはないけど、それぞれの特徴は知っておくべきだね。いきなりだけど「この専門書の文字はノミだ!」って言われたら、どう思う?

研修生A子
研修生A子

え?! ノミ??

きむにぃ
きむにぃ

そうなるよね。これは隠喩の表現だけど、「専門書の文字」と「ノミ」の共通点がちょっと分かりづらいよね。これが「この専門書の文字はノミのようだ!」だとどうだろう?

研修生A子
研修生A子

あぁ、専門書の文字が小さすぎる、ということを表した比喩だとわかるわ。そっか、隠喩で表現する時はなるべく共通点がわかりやすいものを使った方がいいのね。

反対に直喩では、一般的に知られている比喩や、共通点が明確な比喩を使うことは避けた方がいいです。

例えば、「彼女は高嶺の花だ。」を「彼女は高嶺の花のようだ。」と言うと、回りくどい印象になり「高嶺の花で十分伝わるよ!」とツッコまれてしまいます。

直喩と隠喩、それぞれの特徴をよく知り、その時の話や状況によって使い分けられるようなることが望ましいですね。

例え話(具体例)

比喩での表現方法の他に、「例え話」というたとえ話の種類があります。

研修生A子
研修生A子

え、ちょっと何言ってるかわかんない。

きむにぃ
きむにぃ

実は比喩でのたとえ話は「喩え」と書くんだ。だから一般的なたとえ話は基本的に比喩表現のことになる。一方「例え話」は「例えば」から始まる具体例を示す際に使われる話のことを言うんだ。

例え話は、直前で説明した物事について、具体的な例を示し、わかりやすく補足する役割があります。

例えば、(←これこれ!)日本国憲法について説明する際、「憲法は国の最高法規です。憲法に反する法律は効力を有しません。」とだけ説明されてもいまいちピンと来ないと思います。

そこへ「例えば、危険な思想を広める目的で作られた機関誌などの出版物について、それを国が事前にチェックして差し止めできる法律を作ったとしても、憲法で検閲は禁止されているので、その法律は無効になります。」と言う説明が加われば、グッとイメージしやすくなりますよね。

例え話は具体的なストーリーを示すものなので、聞き手は頭の中にその映像を思い浮かべることができます。そのおかげで、直前の説明をより深く理解することができるというメリットがあります。

たとえ話(比喩)の作り方

ここからは、たとえ話の中でも比喩表現を用いたたとえ話の作り方について説明します。

比喩のたとえ話では、説明しようとする物事と共通点がある別の物事をいかに多く探し出せるかが重要になってきます。

今回は、下記の「通信制限の説明」を、初めてスマートフォンを購入した高齢者の方にたとえ話を使って説明する、という題材で作っていきましょう。

通信制限とは、データ容量を超過するデータ通信があった場合に、通信速度を送受信ともに低速化させることです。

Step1. かみ砕く

まず、説明しようとする物事のキーワードを並べます。

・通信制限
・データ容量
・超過
・送受信
・低速化

次にそれぞれのキーワードをかみ砕いた表現に言い換えます。この時、「つまり?」という質問を投げかけながら考えると、言い換えやすくなります。

・通信制限 - つまり? → 速さに限界がくる
・データ容量 - つまり? → 契約容量 
・超過 - つまり? → 使い過ぎ
・送受信 - つまり? → 送る、受ける
・低速化 - つまり? → 遅くなる

1回の言い換えだけだと、かみ砕きが足りない場合があります。「まだ、簡単にできそう。」と思ったら、再度「つまり?」という質問を投げかけてみます。

例えば、「契約容量」はさらに「決められた大きさ」と言い換えることができそうです。

Step2. 似ている表現を探す

かみ砕いた表現に対し、思いつく限りの似ている表現を書き出していきます。この時、無理に共通点を探し出す必要はありません。数多く出すことが大事です。

・速さに限界がくる/前に進めなくなる/疲れがくる
・決められた大きさ/定められたもの
・使い過ぎ/食べ過ぎる/減ってなくなる
・送る、受ける/話す、聞く/あげる、もらう/行く、帰る
・遅くなる/重くなる/暗くなる

ここまで書き出していくと、それぞれ何となく関係しているような言葉が見つかります。例えば「前に進めなくなる」と「食べ過ぎる」は「食べ過ぎて進めなくなる」というつながりを発見できます。

関係性がありそうな言葉が2つほど見つかったら、それを軸にして考えていきます。今回は「疲れがくる」と「減ってなくなる」で考えてみたいと思います。

Step3. 具体化させる

Step2でピックアップした言葉を具体化させて別のものに置き換えられないか考えます。この時、「〇〇と言ったら?」という質問を投げかけると連想しやすくなります。

・疲れがくると言ったら? → 走る
・減ってなくなると言ったら? → 体力

ここまでくれば、通信制限を「走って疲れること」、データ容量が超過することは「体力が減ってなくなること」にたとえることができます。

「走る」や「体力」にも共通することがあります。例えば、通信を「マラソン」と考えれば、契約容量は「距離」、低速化は「走ることをやめる」というように連想することができます。

あとは、これをまとめるだけです。

通信制限は、マラソン選手が決められた距離を走り切った状態に似ています。体力がなくなったマラソン選手は、ゴールテープを切った瞬間、走ることをやめます。通信もこれと同じで決められた容量を超える使用があると、走るのをやめて遅くなるのです。

まとめ(注意点)

たとえ話はわかりやすく伝えるために大変効果的な技術ですが、2つほど注意しなければならないことがあります。

まず、似ている、共通点があるからといって、たとえ話が必ずしも説明したいことと一致するわけではないということです。

中には置き換えようのない言葉や動作もあるので、それを無理やりたとえようとすると、かえってわかりにくい説明になってしまいます。

次に、聞き手に知識がある場合です。わかりやすくするための技術ではありますが、そもそも聞き手がたとえ話を使わなくても理解してくれるのであればそれに越したことはありません。

たとえ話を習得すると、楽しくなって何でもたとえたくなりますが、あくまでもたとえなければ伝わらない、と思う時に使うものと考えておいてくださいね!

さいごに

きむにぃ
きむにぃ

このブログを書いている僕は、完全オーダーメイド式の話し方教室を運営しています。

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コールセンターに15年間従事し、研修講師として離職率を35%から0%にしたわかりやすく人に伝えるノウハウであなたの悩みを全力でサポートいたします。

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