会議で発言を求められたのに、話しているうちに何を言いたかったのかわからなくなる。課題の報告ばかりで、何も決まらないまま時間が過ぎる。こうした悩みを抱えている管理職の方は少なくありません。

この記事では、延べ500名以上の話し方を指導してきた株式会社あたま代表の木村が、経営者や役員の方への指導で実際に使っている方法をもとに、会議で話がまとまらない原因と対策を紹介します。

会議で話がまとまらない3つの原因

会議で話がまとまらず考え込む二人のビジネスパーソン

話す前に「何を言うか」が一文になっていない

発言がまとまらない一番の原因は、話し始めた時点で伝えたいことが一文に絞れていないことです。たとえば「クレームについて」のように範囲が広いままだと、傾向を報告したいのか、対策を提案したいのかが決まらず、話し手自身も途中で要点を見失います。

報告が「課題です」で終わっている

会議で「これが課題です。以上です」という報告が続くと、その場で参加者が初めて解決策を考えることになります。準備のないまま話し合うので、時間をかけても結論が出ません。

参加者が別々の問いに答えている

同じ議題でも、立場や持っている情報が違うと見ているものが変わります。ある人は利益率の話をし、別の人は販売時期の話をしている。どの意見も間違っていないのに、話がかみ合わない状態です。

会議で使える7つのコツ

会議で手を挙げて発言する参加者たち

1. 話す前に4つのことを決める

発言や報告の前に、次の4つを決めます。

  • 状況:何分の会議で、対面かオンラインか
  • 相手:一番判断してほしいのは誰で、その人は何をどこまで知っているか
  • 主題:一番伝えたいことは何か(一文で書く)
  • 目的:話を聞いた後に相手にどうしてほしいか

4つが決まると、話に入れる材料と削る材料を判断できます。ただし、費用や期限、リスクなど判断に必要な情報は削らないようにします。

2. 結論の種類を決める

結論には「感想」「意見」「主張」「要求」の4種類があり、後ろへ進むほど相手に求める判断や行動が強くなります。

  • 感想:今日の会議は前向きな提案が多く、良かったと感じました
  • 意見:A案のほうが現場の負担は少ないと考えます
  • 主張:A案で進めるべきです
  • 要求:来週までにA案の見積もりを出してください

会議で発言がぼんやりする人は、感想で終わっていることがよくあります。その場で何を求めたいのかに合わせて、結論の種類を選びましょう。

3. 報告は3つの型のどれかで締める

会議での報告は、相手が知りたい結果を先に伝え、原因、経緯、今後の対応を続けます。そのうえで、最後を次の3つのどれかで締めます。

  • こうしました(すでに対応したこと)
  • こうします(これから対応すること)
  • こうしたいのですが、どうでしょうか(判断してほしい提案)

この3つのどれかで終わる報告にすると、会議の時間が「考える場」から「決める場」に変わります。情報が足りず案が作れない場合は、その事実と必要な支援を伝えます。

4. 提案には20文字前後のタイトルを付ける

会議に提案を出すときは、課題と提案がわかる20文字前後のタイトルを最初に作ります。たとえば「問い合わせ対応を1名増員し成約率を戻す」のような形です。短くまとめられない場合は、何を決めてほしいのかが自分の中でもまだ整理されていない可能性があります。

5. 意見や提案は「結論、理由、事例、結論」で話す

意見を述べるときは、結論、理由、理由を支える事例や数字、もう一度結論、の順で話します。理由と事例を複数用意すると、異なる角度から判断してもらえます。

伝わりにくい例:先月の数字を見ていて気になったんですが、問い合わせは増えているのに成約が減っていて、営業からも対応が追いつかないという声があって、人員のことも考えたほうがいいのかなと思っています。

伝わりやすい例:問い合わせ対応の担当を1名増やすべきだと考えます。理由は、問い合わせが増えている一方で成約が減っているからです。先月は問い合わせが前月より2割増えましたが、成約は1割減りました。返信の遅れで他社に決められた案件もあります。増員して、返信を当日中に戻したいと考えています。

6. 問題がいくつも出たら、共通する原因を議題にする

会議で複数の問題が報告されたときは、一件ずつ並べたあと、それらに共通する原因を探します。たとえば「顧客対応へのクレーム」「不良品の増加」「納期の遅れ」がすべて人手不足から起きているなら、議題を「人手不足をどう解消するか」にまとめます。個別の問題に一つずつ対応するより、同じ原因から次の問題が起きるのを防げます。

7. 議論が止まったら、理由を聞く質問をする

的外れに見える意見が出たときは、すぐに評価せず「なぜそう考えたのですか」「どの場面を想定していますか」と理由を聞きます。理由の中に、現場の問題や別の有効な提案が含まれていることがあります。

また、「それは上の人が決めることだと思います」という発言が出たときは、「もしあなたに全部の決裁権があったら、何を解決して、どの案を選びますか」と尋ねます。実際に指導先の会議でこの質問をしたところ、消極的だった幹部の方から具体的な提案が出てきました。ただし、仮定の質問で責任を押し付けないよう、最終的に誰が決めるのかは明確にしておきます。

会議の進め方の基本

会議を進める側になったときは、次の順番で進めます。

  1. 会議の目的を確認する(何を決める場か)
  2. 議題を確認する
  3. 役割を決める(進行、記録、判断する人)
  4. 意見を出す
  5. 議論を整理し、決まったこと、担当、期限を確認する

最後に決まったことを言葉にしておくと、参加者の受け取り方がずれるのを防げます。

会議での話し方に悩む管理職の方へ

ここで紹介した方法は、どれも経営者や役員の方へのレッスンで実際に使っているものです。ただ、自分の考えを話す前に一文に絞る作業は、一人では行き詰まりやすい部分です。

株式会社あたまでは、経営者・管理職の方を対象に、マンツーマンの話し方レッスンを行っています。実際に控えている会議の報告や提案を題材に、伝えたい内容を対話で一緒に整理し、相手に伝わる順番と言葉に組み立て直します。レッスンはオンラインで受講でき、60分の無料体験レッスンも実施しています。

部下への伝え方については「部下指導がうまくいかない原因と伝わる指導のコツ」でも解説しています。

まとめ

会議で話がまとまらない原因は、話す前に伝えたいことが一文になっていないこと、報告が課題で終わっていること、参加者が別々の問いに答えていることの3つです。まずは次の会議で、報告の最後を「こうしました」「こうします」「こうしたいのですがどうでしょうか」のどれかで締めるところから試してみてください。